第17回「アナフィラキシー ~鑑別困難な疾患、症状と鑑別ポイント~」
アナフィラキシーの典型的症状は皮膚や粘膜症状のいずれかが急速に発現し、かつ呼吸器症状、循環器症状のどちらかを伴います。アナフィラキシーの症状に類似する3つの疾患と、アナフィラキシーとの鑑別ポイントについて紹介します。
1つ目の喘息は、喘鳴や咳嗽、息切れ等のアナフィラキシーと共通する気道症状がみられます。しかし、瘙痒感、蕁麻疹、血管性浮腫、腹痛、血圧低下はみられません。
2つ目のパニック発作は、息切れ、頻脈、嘔気等の共通する症状がみられますが、蕁麻疹や血管性浮腫、喘鳴、血圧低下はみられません。
3つ目の血管迷走神経反射は、血圧低下、失神、嘔気等の共通する症状がみられますが、蕁麻疹、皮膚紅潮、呼吸器症状はみられません。特に皮膚、粘膜等の症状の有無が鑑別するポイントとされます。
参考文献
Anaphylaxis対策委員会.アナフィラキシーガイドライン2022.日本アレルギー学会.
日本障害者歯科学会医療安全委員会
吉岡真由美