医療安全委員会 - 委員会

歯科治療時には常に異物の誤飲・誤嚥のリスクが存在し、重大な医療事故となる可能性があります。そのため、その対策は医療安全管理上、重要なテーマの一つです。公益財団法人日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業第47回報告書1)では「歯科治療中に異物を誤飲・誤嚥した事例」について分析した結果が報告されています。

本報告では、2011年1月から2016年9月までに医療事故情報として報告された歯科治療中に発生した事例155件のうち、歯科治療中に異物を誤飲・誤嚥した30件の事例について分析を行っています。主な事例6例が図表で示されている他、誤飲・誤嚥した異物、患者の年齢、実施した検査と異物が見つかった部位、患者への影響、異物を誤飲・誤飲することになった要因、実施していた治療と内容、事例の背景・要因、事例が発生した医療機関の改善策について分析し詳しく記載されています。歯科治療中の異物誤飲・誤嚥は可能な限り予防対策を講ずることや、発生した際には速やかに対応できるようにすることが重要であり、一読することをお勧めします。

  1. https://www.med-safe.jp/pdf/report_47.pdf

日本障害者歯科学会医療安全委員会
小野智史


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