医療安全委員会 - 委員会

治療中の粘膜損傷は、不注意から起こることが多くみられます。これら医療に関連して生じた事故は、すべて医療事故となります。診療所内での転倒やベッドからの転落による負傷なども含まれます。また、医療事故が発生して患者や家族がクレームをつけたり損害賠償を求めたりすることを医事紛争といいます。

最善の治療を尽くした上で、結果予期せぬ事態が起きた場合も、医療事故の範疇に入ります。しかし、不可抗力的な事故と言わざるを得ないときは、法的責任は問われることはありません。一方で、医療関係者の過失によって事故が発生した場合を医療過誤といい法的責任が問われます。

これらの医療事故による不測の事態は、我々が心身ともに健康な状態の維持に努め意識を集中して診療に当たらなければなりません。しかし、医療事故をゼロにすることは非常に困難です。当然、あってはなりませんが、起こる可能性は常につきまとっていると考えるべきです。そこで、事故が発生したときに原因を調査したうえで対策を講じ、医療事故のゼロを目指す心がけが必要です。その為にも、再発を防止するべく効率的なリスクマネージメントの構築が求められます。ハインリッヒの法則をもとに、院内でのヒヤリハット事例を集計し対策することが重要です。

参考文献

障害者の歯科治療―臨床編― 一般社団法人日本障害者歯科学会編
事例・判例から学ぶ 歯科の法律 医歯薬出版株式会社

日本障害者歯科学会医療安全委員会
水野 誠


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