医療安全委員会 - 委員会

歯科臨床に関するアレルギー物質として筋弛緩薬、抗菌剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSDAIDs)、ラテックス、ヨード類、消毒薬(グルコン酸クロルヘキシジン)、歯科用局所麻酔薬(防腐剤、抗酸剤を含む)、(パラ)ホルムアルデヒド等が報告されています1)。アナフィラキシーの発症を防ぐためには、患者の薬剤や食べ物等によるアレルギーや全身状態の情報を把握することが重要です。得た情報はカルテに記載し、スタッフ間で共有します。記載した情報は診療時に見落とさないように表記を工夫することも大切です。しかし、アナフィラキシーは過去に複数回安全に使用でき、薬剤の特異抗体が陰性であった薬剤でも発症の可能性はあります。そのため、アナフィラキシー発症時の対応マニュアルを院内で作成して、初期対応に使用するアドレナリン等の薬剤や生体情報モニター、酸素や静脈ルートを確保するための用具一式等の医療機器の整備を行います2)。さらに、緊急時に迅速に対応できるよう定期的に実地訓練を行うことが救命につながります。

参考文献

1)    丹羽 均.歯科臨床におけるアナフィラキシーの診断と対応.日歯麻誌2022;50:43-51.
2)    Anaphylaxis対策委員会.アナフィラキシーガイドライン2022.日本アレルギー学会.

日本障害者歯科学会医療安全委員会
吉岡真由美


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