医療安全委員会 - 委員会

第2回のテーマは「アナフィラキシー ~定義と診断基準~」です。 アナフィラキシーは「アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応」であり、アナフィラキシーショックは「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」と定義されています1)。アナフィラキシーの診断基準は「1 皮膚症状または粘膜症状のいずれかが存在し、急速(数分~数時間以内)に発現する症状で、かつ呼吸器症状、循環器症状の少なくとも1つを伴う」「2 一般的にアレルゲンとなりうるものへの暴露の後、急速に発現する皮膚・粘膜症状、呼吸器症状、循環器症状、持続する消化器症状のうち、2つ以上を伴う」「3 当該患者におけるアレルゲンへの暴露後の急速な血圧低下」の3項目のうちいずれかに該当する場合とされています1)。
 アナフィラキシーはあらゆる薬剤で発症の可能性があり、これまで複数回、安全に使用でき、薬剤の特異抗体が陰性であった薬剤でも発症の可能性があることを歯科医療従事者は認識することが重要です。

文献

1)医療事故調査・支援センター 一般社団法人 日本医療安全調査機構.医療事故の再発防止に向けた提言 第3号.注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析2018.
https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen-03.pdf

日本障害者歯科学会医療安全委員会
吉岡真由美


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